県総合運動公園内で刈り芝などを材料に製造された堆肥について、その健全性を調べるためにコマツナの栽培試験を行いましたので、ご報告いたします。
1.試験概要
[使用資材]
- 山砂(小矢部産けい砂)
- 県総合運動公園で製造された堆肥(刈り芝に微生物資材を混合し、発酵させたもの)
- 容量3Lのワグネルポットによるコマツナの栽培試験
- 堆肥の混合割合が異なる4の試験区を設置し、各試験区につき3反復した。試験区ごとの堆肥の割合は表1の通り各ポットにコマツナの種子を20粒ずつ播種し、適宜潅水・間引きを行い最終的に1ポットあたり3個体になるようにした。
- 発芽数・葉長を適宜測定し、播種してから約2ヵ月後に各個体を掘り取って乾燥機にかけ、地上部と地下部の乾燥重量を測定した。(発芽については発根=発芽とした。)
[試験方法]
表1.試験区ごとの堆肥割合
試験区 | 名称 | 砂 | 県総合堆肥 |
---|---|---|---|
1 | 対照区(砂) | 100% | - |
2 | 県総合20 | 80% | 20% |
3 | 県総合50 | 50% | 50% |
4 | 県総合100 | 0% | 100% |
2.結果
- 発芽率
- 葉長
※ 播種から35日目と掘り取り時(50~60日目)の2回、計測を行った。 - 乾燥重量
※ 注意して掘り取りを行ったが、根が一部欠落する等の不備があった。また、食害による葉の欠損もあったため、乾燥重量の結果は参考として記載する。
県総合堆肥100%の試験区の乾燥重量は、対照区や他の試験区に比べて重かった。(図3) - 概観 各試験区のコマツナの生育状況を撮影した写真を表2にまとめた。(別紙参照)
[結果まとめ]
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山砂(小矢部産けい砂)
・ 堆肥を混合した試験区では、特に生育阻害などの問題は見られなかった。
・ 堆肥を混合した試験区では、伸長成長促進効果が認められ、特に県総合堆肥100%の試験区では、葉長・乾燥重量ともに他の試験区に比べて格段に向上していた。今回の栽培試験によって、植物の生育に対する堆肥の有用性を示すことができたと考える。 以上試験区 名勝 撮影日:2013/04/23(播種後14日目) 1 対照区(砂) 2 県総合20 3 県総合50 4 県総合100 試験区 名勝 撮影日:2013/04/29(播種後20日目) 1 対照区(砂) 2 県総合20 3 県総合50 4 県総合100 試験区 名勝 撮影日:2013/05/28(播種後49日目) 1 対照区(砂) 2 県総合20 3 県総合50 4 県総合100 試験区 名勝 撮影日:2013/04/23(播種後14日目) 1 対照区(砂) 2 県総合20 3 県総合50 4 県総合100
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全ての試験区において、発芽率は80%以上となった。(表3)
試験区 | 名称 | 平均発芽率(%) |
---|---|---|
1 | 対照区(砂) | 88 |
2 | 県総合20 | 85 |
3 | 県総合50 | 100 |
4 | 県総合100 | 100 |
[堆肥の効果]
堆肥の割合が20%、50%、100%と多くなるほど、葉長は長くなった。(図1)
→堆肥に含まれる養分によって、植物の伸長成長が促進された
→県総合堆肥について、成長を阻害するなどの効果は認められない
[ポットごとのばらつき]
発芽率、葉長の結果について、ポットごとのばらつきはそれほど大きくなかった(図2)。