匍匐(ほふく)茎について


芝生のようなイネ科植物の中で、特徴的なグループとして稲(水稲)などの仲間と竹などの仲間があります。
そこには、株(かぶ)と匍匐(ほふく)の違いがあります。
水稲は収穫時期には、植えたときとは見違えるほど大きくなっていますし、株全体が太ってきます。
しかし、しょせん株は株。横へは広がっていきません。このグループを  「株で大きくなるグループ」  と言います。

庭に植えられる竹や笹は、「イヤ」というほどに横へ広がっていきます。
垣根を越えて隣の家に侵入して迷惑がられたりもします。
竹は地下茎(匍匐)で横へ横へと伸びる性質があります。このグループを  「匍匐で大きくなるグループ」  と言います。

芝草の中も、この「株で大きくなるグループ」と「匍匐で大きくなるグループ」があります。
公園に一般的に植えられている芝の多くは、コウライシバのように「匍匐で大きくなるグループ」です。
ゴフル場などで使われるいわゆる洋芝には、「株で大きくなるグループ」が多いようです。

地上に出て横へ伸びる茎を「地上匍匐茎(ストロン)」といいます。地下に隠れてモグラのように進む茎を「地下匍匐茎(ライゾーム)」と言います。
「匍匐」は、字は違いますが、軍隊で言う「ホフク前進!」の「ほふく」みたいなイメージです。
これに対して、株はバンチと言います。