キハダ(ミカンカ科 キハダ属)
黄肌 Phellodendron amurense


本館(資料館)前の広場でみられる落葉高木です。
葉は奇数羽状複葉で対生。
日本では北海道、本州、四国、九州に、朝鮮半島、アムール、中国北部に分布します。

この木は、樹皮(内樹皮)が黄色いことから、黄肌となりました。
これを切ったものを見たときは、なるほど!ま黄色だぁ!と感心したものです。
この黄色の部分に苦味成分のベルベリンを含んでおり、健胃薬などに使われます。
他にも捻挫、打ち身に効くのだそうです。これは知らなかった。。。

秋も深まって、冬芽はどこかと探してみてください。なかなか見当たりません。
それもそのはず。実は葉柄の内側に冬芽が育っているのです。
そうです。この木は、葉柄苞芽(内芽)の木なのです。
ちょっと面白いですよ。
他に葉柄苞芽の木というとどんなのがあるでしょうか。街角、山の中で探してみましょう。


2013年5月3日 芽吹いたところ

2003年12月14日

2020年12月10日 樹はの上部の方ではまだ葉が少しは残っています。



冬芽はどこにあるのでしょう?


小枝を一つもらって葉(葉軸)を取ってみました。ありました。葉柄(葉軸)の根本が膨らんでその中に冬芽を隠しているのです


現場で葉を取るとこのようになっています。葉柄痕が冬芽の周りに見えます。
このように、キハダは冬芽が独り立ちできるまで葉柄の中で冬芽を守っているのです。
このように葉柄の中で冬芽を生長させまもっているものを、葉柄内芽と言います。
もちろん冬の間ずっとではありません。いずれはこの葉軸も落ちて、冬芽は独り立ちしなければなりません。