コナラ(ブナ科 コナラ属)
小楢 Quercus serrata


ねいの里のいたるところで見られる、落葉高木です。
北海道、本州、四国、九州に分布しています。

ご存知、雑木林を代表する樹種で、クヌギと並んで多いものです。
富山県ではクヌギ、アベマキはずっと少なく、やはりコナラです。

石油が家庭で利用されるまでの昭和30年代までは薪炭材として全国で利用され、このねいの里でも炭焼きがなされてきました。
このとき、だいたい10年をめどにコナラは切られており、翌年、横からいわゆるヒコバエがでてきて(萌芽更新)、これを10年後にまた伐採するという繰り返しが行われてきたのです。

よく、里山の保全を行う場合にあまり放置しすぎた後は、なかなか維持できなくなると言います。
これは、コナラも大きくなりすぎるとヒコバエが出なくなったり、出ても少なかったりうまく育たなかったりするのだと聞きました。
だいたい50年を超えると再生力が極めて衰えて、萌芽更新に不利になるようです。
また、萌芽更新も100年ほどもずっと続けていくとなかなか萌芽力が衰えてくるようです。
うまく萌芽の選抜を行うなど、新しい株を育てていくことも必要なようです。

このねいの里では、一部を残して伐採を進めています。
今後どうなっていくか、楽しみですね。


2004年4月24日 雌花の様子



2004年4月21日 雄花の様子


2004年1月11日 樹皮の様子

2004年1月11日 コナラのドングリの殻斗(ぼうし)は大仏様の頭のようです。


2023年3月9日 実生 コナラの仲間は子葉が栄養を蓄えており、胚乳がありません。マメ科、トチノキなどでも同じですね。
2つにパックリと分かれているのが子葉で、左下に根が生えて地面の中にしっかりとくっついています。


2004年1月11日 まだ若い木の切り株にはヒコバエがたくさん出ています。
(これは、ヒコバエがさらに切られていますね。)昔は伸びたヒコバエから良いものを残していたようです。



ナラメイガフシ ナラメイガタマバチの単性時代の虫こぶです。