コオニタビラコ(キク科 ヤブタビラコ属)別名:タビラコ
小鬼田平子 Lapsanastrum apogonoides

展示館前の周りなどで時々見られる、高さ4〜25cmの2年草です。
春の七草配布のためにいただいてきたものが時折逸出して生育している程度です。
本州、四国、九州の水田など湿ったところに分布しています。

ご存知、春の七草の一つで、若葉は食べられます。古名はホトケノザ。
ロゼット状の根生葉の様子を仏様がお座りになる台座に見立てたものですね。
別名のタビラコも、田に平らに開いている根生葉の様子から付きました。

花は3月から5月。根生葉の間から花茎が伸びて、普通10数cm程度以内、長い場合は20cmくらいまで伸びます。
その先に小さな頭花を数個つけ、順々に咲いていきます。

花が終わると花茎が伸びて下向きになって、そう果をつけるのですが、このヤブタビラコ属は若干変わり者で、タンポポ亜科のなかではただ一つそう果に冠毛がない属なのです。

よく似たものに、ヤブタビラコがあり、これはやや毛が多く、根生葉が立ち上がっています。花茎の高さも20cm〜40cmと大きいのです。
果の大きさは、コオニタビラコの方が大きく長さ4.5mm、ヤブタビラコは長さ2.5mmほどです。
別属のオニタビラコはもっと高く、大きく、50〜100cmにもなります。こちらはそう果に白い冠毛がついています。



2004年4月24日 この写真で花茎は約10cm
舌状花は9枚でした。