ムラサキケマン (ケシ科 キケンマン属)
紫華鬘 Corydalis incisa
展示館へいたる道沿いなどで見られる越年草です。高さ20〜50cmです。葉は2〜3回3出複葉です。
日本全土に分布しています。
もともとはやや湿ったところで見られるものです。
一口のキケマン属と言っていますが、地下に塊茎を作らないキケマン、ムラサキケマンなどと、
地下に塊茎を作る多年草のエンゴサクの仲間に大別されています。
このムラサキケマンの果実を触ってみてください。面白いですよ。
パチン(と実際に音がするかどうかはわかりませんが)とはじけて、さく果から種子が飛び出すのです。
このときさく果はくるくると巻きつくので、大変面白いのです。一度触ってみてください。
種子散布の方法としては、自動散布になりますね。ホウセンカ(ツリフネソウなども)同じですね。
そしてこのあと、蟻に種子を運んでもらって、さらに分布を広げているのです。(目立ちませんが種枕(エライオソーム)があり、これが蟻の好む成分のようです)
つまり、自動散布+動物散布の2つを併用している植物なのです。
2004年4月10日 花は総状に蜜に付きます。
2020年4月9日 葉のようす ミヤマキケマンと違って丸っこい葉先です。
2004年4月29日 果実の様子。
2004年4月29日 触ると弾けて黒い種子を散布します。
その後、さく果の皮はくるくると外側に巻きつきます。
2023年5月2日 種子 縁に白いエライオソームが見えます