サイコクヒメコウホネ(スイレン科 コウホネ属)
西国姫河骨 Nuphar saikokuensis
水生庭園で見られる多年草です。これは植栽です。
本州西部(北陸以西・太平洋側では近畿以西と思われる)、四国、九州の浅い池沼に分布しています。
志賀 隆氏の論文では、コウホネ×ヒメコウホネ、コウホネ×オグラコウホネ、コウホネ×ヒメコウホネ×オグラコウホネの雑種起源の植物をまとめた分類群をサイコクヒメコウホネ(Nuphar
saikokuensis Shiga & Kadono)として扱うとしています。
富山県にあるいわゆる「ヒメコウホネ」もこの分類群に含まれると考えてよいでしょう。
名前は地下茎が白骨のように見えることから、河骨(コウホネ)となったとのことです。
普通、ヒメコウホネの葉は水面に浮くのですが、水深が浅いときは葉が水上にでることがよくあります。(ただしこのこと自体は狭義のヒメコウホネでも見られます。出方がことなるようですが)
沈水葉はやや丸っぽく、細くなるコウホネとは異なっています。ただ、本来のヒメコウホネほどには丸く・小さくはありません。
花は6〜7月。水中から花茎を伸ばして黄色い花を咲かせます。
花弁状のガクの中に黄色い雄しべが多数あり、その内側に黄色い雌しべの柱頭が集まっています。
2006年7月1日 真ん中の柱頭(薄く輝いている部分)の先が尖っていません。これはヒメコウホネの系統を感じます。
しかし、これの長さが整っていないので雑種由来ではないかと窺わせます。
2006年7月1日 ねいの里のものは葉も長めで、抽水状態です。抽水葉はコウホネらしさを感じます。
2004年5月29日 花の様子。遠くてきちんと写りませんでした。。。
2005年7月9日 富山県内の別の場所で
これくらい深いと浮葉となるのです。でも葉は大きく楕円が強いのです。