センボンヤリ(キク科 センボンヤリ属)別名:ムラサキタンポポ(春の花の様子から)
千本槍 Leibnitzia anandria
水生庭園に下りていく散策路などで見られる多年草です。(A2あたりでも見られます。)
日本全土の丘陵地や山地の日当たりのよい草地などに分布しています。
ねいの里では若干暗い散策路でみられます。昔は明るい日差しも射したのでしょう。また明るくなれば生長するでしょう。
高塚ではごく普通に見られるのですが、ねいの里では数は多くありません。
ねいの里で、平成17年4月にやっと春花を見つけました。そして、徐々に増えているようです。
花は春花が4〜5月。周りと裏面がやや赤紫色を帯びた舌状花からなる頭花を低い花茎の先にそよっと咲かせます。それでムラサキタンポポです。
秋花が9月〜10月。閉鎖花は背丈も高く付き、そう果の長い冠毛の様子を槍に見立ててセンボンヤリの名前があります。
でも、これって、ちょっと不思議だと思いませんか?
閉鎖花では花茎が高くなり、冠毛が長いということは、種子を遠くまで散布するのにより適していると思われるのに対し、開放花は花茎がごく低く冠毛も短いので、あまり遠くに飛ばないのではと思います。
普通、親と同じ(ほぼ同じ)遺伝子をもつ自家受粉の場合は、親がその場所で遺伝子を残すのに成功しているわけですから、親に良く似た子はすぐ近く(同じような環境)に配するのに対し、遺伝子のかく乱のある他家受粉の場合は、違う環境にも適応できる可能性があるということで、遠くにまで散布して自己の遺伝子を残す可能性をより高めるものだと思っていたのですが。。。
センボンヤリの戦略は、この普通の考えからするとちょっと違うようです。なぜなのかは分かりません。
要するに、植物の戦略というのは人知を超えているというか、極めて多様性に富むということで・・・ごめんなさい。
2005年4月16日
2005年4月16日 裏側から撮影してみました。
2005年5月14日 春花のあと 葉は卵型です
2004年8月28日 果の様子(千本槍じゃあ・・って感じが分かりますでしょう!)
2004年8月28日 蕾の様子(待っても開きません)閉鎖花なのです。
2004年5月22日 葉も生長して倒卵状長楕円形でやや羽状に分裂がはっきりします
2021年7月15日 葉の様子はほとんど変わりませんし、秋花の花茎も出ていません
2018年9月20日 全体の様子 これで果実になると「千本槍」 なんですね。