タンポポ(セイヨウタンポポ)(キク科タンポポ属)

展示館前の広場や水生庭園などで見られるヨーロッパ原産の多年草です。
日本国中に広がっています。

総苞外片が反り返っているのが西洋タンポポですので、花の裏を見ればすぐに分かります。

西洋タンポポは、最近は立山の弥陀ヶ原やその上にまで広がっていますから、ねいの里だって例外ではありません。
このため厄介ものにされたり、侵略者扱いされちょっとですが、かわいそうな気もします。

どうして西洋タンポポの方が多くなっていくのでしょう?
それには、いくつかの理由があります。

1つは、西洋タンポポの種子が、在来のものに比べて小さく遠くまで飛んでいくからです。もともと種子が小さいというのは決して利点ではありませんが、開発によって撹乱された土地で西洋タンポポは生き残る道を得たのです。そして開発がどんどん広がりを見せるのと併せて、西洋タンポポも広がっているのです。

2つには、西洋タンポポは受粉をしなくても、胚珠が自己増殖して種子を形成する「単為生殖」を行うということも大きな要因です。
でも、西洋タンポポにもちゃんとおしべがあります。単為生殖ならばだんだん退化していくと思うのですがどうなのでしょうか。そうだという方もいらっしゃいますが、西洋タンポポの花粉は日本タンポポポやすでに雑種化したタンポポと混じることによって自己の遺伝子を広げているのです。

そういう意味で、私たちが西洋タンポポと呼んでいるものの多くはすでに雑種なのかもしれません。
もちろん最初からの西洋タンポポそのもののも単為生殖によって広がりますから、これでは在来の日本タンポポはたまりませんネ。

3つには、西洋タンポポは一年中、光さえ浴びておれば花を付けていることです。日本タンポポは春に咲きますが、西洋タンポポは冬でも雪がなく暖かい日差しを浴びると花を咲かせるのです。

このままでは西洋タンポポだらけになるように思えますが、どうなるのでしょうね???


2004年3月13日 まだマルバマンサクしか咲いていないころ、西洋タンポポは陽光をあびて咲き誇っています。