チマキザサ (イネ科 ササ属)
粽笹 Sasa palmata
本館前や散策路のあちこちで見られます。
北海道、本州(東北の大部分と日本海側)、九州北部などに分布します。
細かく言うと、ササ属チマキザサ節に区分され、枝は株から上部で分岐する点がこの節の特徴です。
富山では、チシマザサと約700mの標高で生育域を分けると思っていたのですが、
かなり下でもチシマザサがありますし、かなり上でもチマキザサがありますので、標高では分かりません。
ね。
よく、竹や笹は木なの草なのと聞かれますよね。
木か草なのかは極めて人間側からの分け方で、タケはやはりタケとしかいいようがないと思います。
以下、蛇足として。
一般には、木か草かということはある程度は知っておきたいと思います。でも、諸説いろいろというのが実態です。
幹が木化して太く成長するものを木本とした場合、笹は木本とはなりません。
幹が固くなるものを木本とする場合、笹は木本ですね。
私は、この2つのうちどちらでもなく「地上部に冬芽をつくること」を木本の目安としていますので、笹は木本となります。
このとき、じゃあどの説が正しいの?
答えは、どれが正しいというものではないのです。だって人為分類ですから、定義の仕方による訳なんです。
分かりますよね。
ただ、誤解のないように言いたいのですが、木本とか草本とかが進化に関係ないわけではありません。合弁花と離弁花が進化と関係ないわけではないように。いずれも、2つ以上の単系統においてそれぞれ進化を繰り返してきた要素ではあるのです。
さて、チシマザサとの差異は、写真2枚目のように、チマキザサにはふつう葉耳、肩毛があります。
ただ、冬の時期はあまりないときもありますので、若い葉鞘で観察を要します。またじっくり見てください。
2003年12月13日
2003年12月13日