ウワミズザクラ (バラ科 広義サクラ属)
上溝桜 Prunus grayana

散策路のあちこちで見られる落葉高木です。葉は互生です。
北海道(中部以南)、本州、四国、九州(熊本まで)、中国中部に分布しています。

花が房のように付くので、初めて見たときは、「これもサクラ?」って思いましたよ。
最近は、別属Padusとする方が一般的ですが、ここではPrunusを使用しました。。
でも、この仲間はたくさんあるのですね。富山ではこれがおなじみですが、イヌザクラも時々あります。
ねいの里では、ウワミズザクラだけですけど。
他にも、シウリザクラ、常緑ではリンボク、バクチノキもありますが、富山では見られません。

この木は、落枝するのがちょっと面白いですね。葉だけ落とすのではなく、せっかく伸ばした小枝を丸ごと落とすのです。
どうしてこんな生態なのかは分かりませんが、羽状複葉なの?って聞いた人もいます。。。
枝、葉の進化の過程の事情なのでしょうか?
冬に冬芽を見てください。大きな落枝痕のうち冬芽がでているのは半分くらいなので、ウワミズザクラだということはすぐ分かります。

また、葉の出方も面白いのですよ。一部だけですが、コクサギ的葉序になっているのです。
これはほとんどの個体で見られます。
サクラ属は、葉の蜜腺の位置が結構大事です。
ウワミズザクラは葉の葉身基部に付きますので、葉柄上部につくシウリザクラとは容易に区別できます。



2002年4月X日 遠目に見て「ロウソクのようだ」と表現した人がいました。

2003年5月18日 右から、3枚目と4枚目の葉が同じ側についていますね。



2004年3月13日 ウワミズザクラの落枝痕と芽吹きの様子


2022年1月27日 冬芽