開館時間
9:00 〜 17:00

入館無料

休館日

毎週火曜日(祝日は除く)、祝日の翌日(翌日が土・日曜日の場合は月曜日が休館)
年末年始、※鳥獣保護センターは年末年始のみ休館

ねいの里 ☎076-469-5252

鳥獣保護センター☎076-469-5555

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☎076-469-5555鳥獣保護センター

ニホンザル

MACACA FUSCATA

生態について

常緑広葉樹林や落葉広葉樹林に生息し、数頭のオス成体及びメス成体とその子供たちからなる群れで遊動生活をする。ほかに単独で生活する個体(主にオス)もみられ、ハナレザルと呼ばれる。昼行性で、樹上及び地上で活動する。雑食性で、果実や種子、葉、昆虫、小動物を食べるが、量的には植物食が多い。また、いろいろな農作物を食べ、各地で問題になっている。出産期は春から夏であるが、地域により変異がある。

富山県のサルの群れの分布

県東部を中心にサルの群れが確認され、県内では9市町 (富山市、魚津市、滑川市、黒部市、南砺市、上市町、立山町、入善町、朝日町)で生息が確認されている。山岳地に生息する非加害群については、昭和63年度から平成2年度の調査で55群1,400頭の生息が推定され、その後、生息環境に大きな変化がないことから、群れの数及び生息数に大きな変動はないものと考えられる。 農林作物に被害を与えている群れについては、令和3年度の各市町実行計画と南砺市から報告された目撃・被害情報によると42群約1,700頭と報告されている。 その他に、近年の現地調査等により新たに確認された3群100頭程度の群れが確認 されており、合計で 100群3,200頭が生息していると推定されるが、非加害群については、一部を除いては調査が行われていないため、群れが識別されず不明な点が多い。

被害状況

富山県東部を中心に穀物では、イネやトウモロコシなど。野菜類では、ジャガイモやサツマイモ、トマト、カボチャ、スイカなど。果物では、カキやリンゴ、ブドウ、クリなど多岐にわたり農産物被害が出ています。被害対策を行っているリンゴ等出荷用農産物と比較して、十分に被害対策がおこなわれていない自家消費用作物に被害や苦情が多い。

富山県ニホンザル管理計画

富山県のサルの群れの分布

人とニホンザルとにあつれきが生じていることから、科学的な知見に基づくニホンザルの管理を行い、農林作物や生活環境への被害を軽減し、本県に生息するニホンザルの安定的な存続を図り、人とニホンザルとの共生を目指す。計画の目標として、地域個体群の生息範囲が拡大しないよう群れを安定的に維持しつつ、農林作物被害等を軽減できるよう生息数を適正な水準にすることにより、人とニホンザルとの共生を図る。管理の目標を達成するために、施策の基本的考え方として、被害防除、生息環境管理、個体群管理の3つの観点から施策を展開していくことが必要であり、具体的な施策を定めるにあ たっては、群れ毎に出没場所や人に対する反応、被害状況といった加害レベルを見極め、レベルに応じた対策を実施する。県、市町村、地元関係団体、農家、地域住民などが、それぞれの責任と役割を明確にし、連携した取り組みが実施できる体制を構築する。

1.被害防除

電気柵など各種の防護柵と花火や電動エアガン等の威嚇道具の使用等の対策を講じながら、最新の技術や情報を収集し、普及していく。 地域住民が被害防除技術を習得し、実行できるような機会や指導体制を整える。
被害防除は基本的に、地域住民自身による自己防衛的対策として取り組む必要がある。一つの手法だけでなく、地域毎に被害の程度・頻度や出没場所、人に対する反応などに応じて、適切な手法を効率的に組み合わせた対策を講じる。
当面は、電気柵や簡易防護柵などを講じながら、受信機などを利用した追い払いなどの対策を講じながら最新の技術・情報の収集や普及を図って行く。

2.富山県内で設置されている柵

富山県では地域により、いろいろな柵が設置されています。費用対効果などを考えるとともに維持管理のしやすさなどいろいろ加味した上で、どの柵を設置するのか考える必要がある。

簡易柵(猿落君)

網が伸び、支柱が途中から曲がる構造になっているので登りにくい。

長 所

持っている農業資材などを利用するなど安価に作ることができる

被害防止機能を追加できる。

短 所

人目の届く場所に設置しないと、柵の中に入られる可能性が高くなる。⇒現在は見かけなくなりました。

簡易柵(猿落君)

網が伸び、支柱が途中から曲がる構造になっているので登りにくい。

長 所

持っている農業資材などを利用することができる。

被害防止機能を追加できる。

短 所

設置するのがたいへん。

害虫が発生しやすくなる。

電気柵(下ネット、上電気型)

下部がネットで上部が電気柵。地面とネットとの隙間を防ぐ必要がある。

長 所

被害防除効果は高い。

下部にネットがある分、漏電防止のための草刈の回数を減らせる。

短 所

通常に設置すると高くなる。農業資材などをうまく利用し、値段を  抑える必要がある。

電気柵(ネット電気型)

ネット式の電気柵。漏電防止の草の管理がまめな必要。

長 所

被害防除効果は高い。

短 所

設置費用が高い。

漏電防止のための草刈をまめにする必要がある。

電気柵(下:ワイヤーメッシュ、上:ワイヤー線電気型)⇒上:ネット電気柵へ(赤座式電気柵)

下部がワイヤーメッシュで、上部がワイヤー線の電気柵。サルの研究者の赤座先生が考案された安価な電気柵です。なお、現在、上部はネット型に改良し、よりサルの侵入を防ぐことが可能となっている。

長 所

安価な簡易柵より、高い被害効果が期待できる。

下部にワイヤーメッシュがある分、漏電防止のための草刈の回数を減らせる。

ワイヤーメッシュが地面に入っているので、下からのもぐりこみを防げる。

ネット型に改良するなど被害防止機能を追加できる。電線タイプは潜り込みがあるため、ネット型に変更すると侵入をほぼ防げる。

3.生息環境管理

追い払い等と併せ、誘引物の除去や電気柵等の設置等に重点的に取組むなどニホンザルにとっての魅力の少ない環境づくりを進める。「富山県森づくりプラン」を踏まえ、野生動物との棲み分けに配慮した里山林の再生整備を推進する。
被害を及ぼす群れに関する環境管理として、被害地域での誘引物の除去など重点的な取り組みが必要です。

利用しない柿の木等を伐採する

ひこばえなども餌になります。すきこんでください

放棄した農作物等を耕作地から撤去する

以上のような手法で集落全体をサルの餌場としての価値を下げるようにしましょう。

4.個体群管理

加害レベルに応じて群れ毎に「加害個体除去」、「加害群の個体数調整」などの管理方法を使い分け捕獲を実施する。
加害群(個体)の識別が可能な銃器による捕獲を原則とするが、住居集合地等ではオリによる捕獲を行う。
群れの動向や被害変動に関するモニタリング調査体制を整え、調査結果を被害対策に反映させる。