富山県鳥獣保護センター
TOYAMA WILDLIFE CONSERVATION CENTER
富山県鳥獣保護センター
富山県鳥獣保護センターとは
富山県鳥獣保護センターは交通事故などの人間の生活が原因で怪我や病気になった野生鳥獣の救護を行う施設です。
必要に応じで治療やリハビリテーションを行い、元気になった野生鳥獣たちは再び自然に帰しています。
開館時間 9:00~17:00
休館日 年末年始(伝染病の流行時は、施設内の見学を一時中止する場合があります。)
場所 自然博物園ねいの里展示館横
電話番号 076-469-5555
野生鳥獣との関わり方
野生鳥獣はペットとは異なり、人と距離を置いて自然の生態系の中で生きています。他の動物に襲われたり、ケガや病気などで死んでしまっても、他の生き物の貴重な餌となり、命は次の命へと繋がっていきます。その繋がりの中に人が手を出すことは、必ずしも野生鳥獣にとって善い行為とは限りません。人が保護することはかえってストレスを与えたり自由を奪ってしまうことにもなります。自然の中での出来事に対して、あえて手を加えないという選択も必要です。
傷ついた野生鳥獣を見つけた方へ
まず、お電話で種類や状況についてご連絡くださいますようお願いいたします。その場で対処が可能か、経過観察か、治療が必要か、などそれぞれの状況に応じた対応についてお答えいたします。
感染症対策のため事前に検査が必要な場合があります。事前連絡なしでの持ち込みはご遠慮ください。
※伝染病が流行しているときは、原因にかかわらず受け入れを中止する場合があります。
ご理解いただきますようよろしくお願いします。
当センターは以下の鳥獣は救護の対象にしていません
・富山県以外の場所で発見された野生鳥獣
・ペットや家畜
足環のついているハト、ニワトリ、アヒル、イヌ、ネコなど
・天然記念物
二ホンカモシカなど
・農作物への加害が強い種や人身被害のおそれのある種
カラス(ハシブトガラス、ハシボソガラス)、カワウ、ニホンジカ、イノシシ、ニホンザル、ツキノワグマ
・外来生物
ドバト、ハクビシン、アライグマなど
野鳥のヒナを見つけた方へ
春から夏にかけて多くの野鳥たちは繁殖期をむかえます。
まだ幼い野鳥(野鳥のヒナ)をみつけてしまうことがあるかもしれませんが、「巣立ち前に巣から落ちたヒナは巣に戻す」また「巣立ちしたばかりのヒナ(巣立ちヒナ)は近くの木や茂みに置いておく」ようにお願いしています。
巣立ちヒナは警戒心が低く人が近づいても逃げなかったり、上手に飛ぶことができず地面にいたりすることがありますが、必ず近くに親鳥がいて世話をしにきています。車に轢かれるかもしれないなどの危険が予想される場合は、近くの茂みなどにそっと移動させます。人がそばにいると親鳥が警戒してヒナに近づけないことがあるので、安全な場所に移動させたらその場を離れましょう。
巣立ちビナの特徴
・羽根は生えそろっていて地肌はみえない。
・尾羽が短く、頭部などにフワフワした産毛が残るものもいる。
・羽根の色がはっきりせず成鳥と模様が違うこともある。
・くちばしのつけ根が黄色。
種類 | 巣立ちビナ | 成鳥 |
---|---|---|
スズメ | ||
ムクドリ | ||
ヒヨドリ | ||
キジバト | ||
フクロウ | ||
ハクセキレイ |
ツバメの巣が壊れた時の対処法
春から初夏にかけて救護相談が多いのがツバメのヒナです。
もし、巣立ち前に巣からヒナが落ちた場合はもう一度巣に戻して様子をみてください。ネコやカラスなどの天敵に襲われて巣が壊れた時は、別の入れ物にヒナを入れて巣のあった場所に取り付けます。巣の場所が高すぎるなど同じ場所に設置できない場合は無理せず可能な場所に取り付けて様子をみます。多少場所がかわってもヒナの鳴き声を聞きつけて親鳥が子育てを再開してくれる可能性はじゅうぶんあります。
※人の匂いがついたという理由で子育てをやめてしまうことはありません。
巣が壊れたのでカップ麺の空き容器を巣の代わりにしました。
まわりに水糸を張ってカラスが近づけないようにもしてあります。
巣の様子が変わっても親鳥がちゃんと世話をしています。
※ガムテープ等を使って代わりの巣を取り付けする時は、粘着面が浮かないようにしっかりと貼りつけるようにします。
鳥の羽毛や身体にテープがくっつくと飛べなくなったり怪我をすることがあるので注意してください。
野生哺乳類の赤ちゃんを見つけた方へ
親が仔を探しにくる可能性があるので、安易に連れ帰らず見つけた場所で様子をみるようにしましょう。人が近くにいると親は警戒して近づくことができないので、心配でもその場を離れるようにしてください。
タヌキは生まれて間もない頃は真っ黒です。
一見タヌキに見えないため、犬や猫の赤ちゃんと間違われることがあるので注意が必要です。
卵がある、またはヒナや幼獣がいる巣は触らない
卵やヒナがいる状態の巣を許可なく撤去することは、法令により禁止されています。
富山県鳥獣保護センターでは樹木の伐採や工事等に伴って発生する卵やヒナ、幼獣の引き取りは原則行いません。もし、意図せず巣が取り壊された場合は親がもう一度子育てを続けられるようなアドバイスを行います。
野生鳥獣のヒナや幼獣を救護した場合、人が世話をしてどうにか育てることはできても、自分で餌をとる方法や天敵から身を守る方法などの「自然の中で生きぬくために必要なこと」を教えることはとても難しいことです。正しい知識をもって、できるかぎり親子を引き離さないようにしましょう。
たとえ助けたいという気持ちからでも野生鳥獣は許可なく捕まえることや飼うことは法令により禁止されています。個人的に救護することや育てることはせず、判断に迷った場合は鳥獣保護センターにご相談ください。